タイヤの締め付けトルクとは、タイヤのホイールナットを締めるときの力のことです。このトルクは、車やホイールのメーカーが指定しており、適正値を守ることで、タイヤの安全性や走行性能を保つことができます。
適正トルク
一般的に、普通車の適正トルクは10~12kgf・m、軽自動車は8~10kgf・mとされています。ただし、車種やホイールによって適正トルクは異なるので、車の取扱説明書や販売ディーラーに確認するようにしましょう。
トルクが足りない場合
トルクが足りない場合、タイヤがホイールから外れやすくなってしまいます。また、走行中に振動や異音が発生することもあります。最悪の場合、タイヤが脱落して事故につながる恐れもあります。
- タイヤとホイールの固定力が弱くなる
トルクが足りない場合、ナットがしっかりと締め付けられていないため、タイヤとホイールの間に隙間ができてしまいます。この隙間があると、タイヤとホイールがしっかりと固定されず、走行中の振動や衝撃によって緩む可能性があります。
- タイヤとホイールの接合面が損傷する
トルクが足りない場合、ナットがしっかりと締め付けられていないため、タイヤとホイールの接合面が損傷する可能性があります。この損傷により、タイヤとホイールの固定力が弱まり、脱落しやすくなります。
- ナットが緩みやすくなる
トルクが足りない場合、ナットがしっかりと締め付けられていないため、走行中の振動や衝撃によって緩みやすくなる可能性があります。ナットが緩むと、タイヤがホイールから外れる恐れがあります。
また、上記に加えて、以下のような理由も考えられます。
トルクが多すぎる場合
トルクが多すぎる場合、ナットやボルトが破損する恐れがあります。また、走行中にナットが緩み、タイヤが外れる恐れもあります。
- ナットの内部構造が変形する
トルクが多すぎると、ナットが過度に締め付けられて、ナットの内部構造が変形します。具体的には、ナットの内部にあるネジ山やナット穴が、しわやへこみなど、変形を起こします。この変形により、ナットの強度が低下し、破損しやすくなります。
- ナットの内部構造が破断する
トルクが多すぎると、ナットが過度に締め付けられて、ナットの内部構造が破断することもあります。具体的には、ナットの内部にあるネジ山やナット穴が、切断や割れなど、破断を起こします。この破断により、ナットは完全に破損し、使用できなくなります。
- ナットやボルトの強度を超えてしまう
トルクが多すぎると、ナットやボルトの強度を超えてしまうこともあります。この場合、ナットやボルトが破損し、走行中にタイヤが脱落する恐れがあります。
これらの理由により、トルクが多すぎる場合は、ナットが破損しやすくなり、事故につながる恐れがあります。そのため、タイヤ交換の際には、トルクレンチを使って適正トルクでナットを締めるようにしましょう。
また、トルクが多すぎると、ナットが緩みやすくなる可能性があることも、注意が必要です。ナットが緩むと、走行中にタイヤが脱落する恐れがあります。そのため、トルクを調整した後は、ナットがしっかりと締め付けられているかを確認するようにしましょう。
トルクレンチについて
トルクレンチとは、指定したトルクでナットやボルトを締め付けることができる工具です。トルクは、ナットやボルトを締め付ける際に発生する力です。適正トルクでナットやボルトを締めることで、部品の破損や緩みによる事故を防ぐことができます。
トルクレンチは、以下の2つのタイプに分けられます。
- シグナル式トルクレンチ
シグナル式トルクレンチは、設定したトルクに達すると、カチッという音やランプの点灯などの信号で締め付け完了を知らせます。
- 直読式トルクレンチ
直読式トルクレンチは、設定したトルクを数値で表示します。
トルクレンチの使い方は、以下のとおりです。
- トルクレンチの設定値を、車やホイールのメーカーが指定する適正トルクに設定します。
- ナットを手で軽く締めます。
- トルクレンチを使い、ナットを規定トルクで締めます。
トルクレンチを使用する際には、以下の点に注意が必要です。
- トルクレンチの設定値は、車やホイールのメーカーが指定する適正トルクに設定する必要があります。
- ナットを締める際には、トルクレンチのグリップが正しく水平になるように注意してください。
- トルクレンチを使用してナットを締めた後は、ナットがしっかりと締め付けられているかを確認してください。
まとめ
タイヤの締め付けトルクは、車やホイールのメーカーが指定する適正値を守ることが重要です。適正トルクが足りない場合や多すぎる場合、タイヤの安全性や走行性能に影響を与える恐れがあります。
自分でタイヤ交換を行う場合は、トルクレンチを使って規定トルクで締めるようにしましょう。また、タイヤ交換をプロに依頼する場合も、トルクの確認を依頼することをおすすめします。
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